水口京子(みずぐちきょうこ)


〜プロフィール〜

1996年4月にコピー冊子で詩集の作成を始める。
     (第1集「たそかれ」より、現在、第27集「煉獄便り」に到る)
2000年3月よりサイト「鎮魂詞集」を開設
2003年5月処女詩集「鎮魂詞集」を出版
2004年2月より「詩遊会」にて「水仙賞」を担当
「詩脈」同人を経て現在「どぅるかまら」同人


〜メッセージ〜

甘い恋愛詩は好みません。
安易な悲嘆も好みません。
「命」の凄絶な軌跡を求めます。
命を賭け淡淡と書いたものを愛します。


〜水口京子の作品〜

「月下赤光」

月下赤光
もう一度言うよ
あの針金をねじったような植物が
もう二度と芽吹いたりしないように
赤くとろけかけた鉄棒で
その根をすべて焼いておくれよ
ここに紫水晶の珠がある
白く気泡がきらきらとする上等の珠だ
この珠はね
生きモノを嫌うんだ
草木蟲、みな嫌う
だからねなるべく
この世から生きモノを無くさなきゃならない
おまえはまだ言いつける用があるから生かしてやる
でも他のものはダメだ
この月のあるうちに
焼けた鉄であの植物もどきを殺すんだ
月の光に奇妙な影を作るからしゃくに障る
まるで禅僧気取りだ
この珠は黄色く濁るんだ
不機嫌なんだね
ああ、死にぞこないの蛾が舞っている
火針で腹を串刺しにしてやりな
死にながらハタハタとするように
月下赤光
いいかい
ここはそういう処なんだよ
みな、ここへ還って来るんだ