BJだいち選


1.わかんなくてもいい-さち
2.あらはずかしい-るるりら
3.No Subject-梓ゆい


3作品を選評いたしました。
最優秀は「わかんなくてもいい」。優秀は「あら はずかしい」。





1

わかんなくてもいい-さち


ほまほまほま
と温かい
涙はしばし忘れよう
川辺の桜
まばらに咲き出す


ふんふんふん
と見ないふり
しみしみ 痛い擦り跡は
エンドレスの鼻歌で
視線をずらして
やっとなだめる


涙はしばし忘れよう


選評:
擬態語の使い方がとってもいいです。辛さを忘れようとする気持ちがよく伝わってくるし、読者を明るい気持ちにしてくれます。特に「ほまほまほま」がいい。





2

あら はずかしい-るるりら


かおもあらわず 鼻歌を うたってしまったわ

あら はずかしい

靴下にも こころにも穴が開いているわ

あら はずかしい



わたくしの場合は、今日一日 恥ずかしいことなんてなにもしなかったわ

あらあら なんて はずかしい



草木だって 堅い土を蹴破って はずかしいそうに芽生えるのに

だれかの顔色しか みてなかったなんてね




選評:
素材が新鮮です。そして作者の意識の在り様が伝わってくる。いい詩です。




3

No Subject-梓ゆい

出して行くのは大事でも

心に一つ一本線

くっきり太く一本線

言いたい事もあるけれど

時には閉まって引き出しに。

『お口を閉じて、はい。チャック。。』

大事な物があるのなら

大事な者が居るのなら

身を切る思いで一本線。

涙を飲んで一本線。


選評:
「心に一つ一本線」というフレーズが気に入った。読者によっていろいろな解釈の可能性を残している。そして、気を引き締めてくれる言葉になっている。めげそうになったらこの詩を思い出したい。